褒める方が良いのか?悪いのか?
あなたは子供を褒めてあげられてますか?
子供は基本的に褒めてあげると嬉しそうにしますね。大人になっても褒められるというのは嬉しいものです。
私も自分の子供には叱ることよりも、褒めることを中心とした生活をしています。ちょっとした発見や出来たことは些細な事でも観察し、すかさず褒めてあげる、それが現在の私の子育ての中心です。
「褒めて育てろ」という言葉がありますが、褒めるという行為には様々なメリットが存在します。褒められることで自己肯定感が満たされ、自信が付き、子供が自発的に行動し、自立する力がつきます。
しかし、褒めるというのはそう単純ではなく、実際に褒め方についていろいろ学んでみると賛否両論、どういう褒め方が良い、悪い、褒めること自体があまり良くない、才能は褒めちゃダメ、いや褒めるべきだの・・
結局褒めるのって良いの?悪いの?ここは褒めるべきなの?どっちなんだい?
と錯綜しそうですが、私個人の意見からすると褒めることはとても良いことだと考えています。
褒めることに比べて叱ることは子供の自信や自己肯定感を著しく低下させたり、短期的な効果しか得られない危険性がありますが、褒めるという行為に関してはそういう事は少ないと考えますし、デメリットはあまりないです。
しかし確かになんでもかんでもむやみやたらに褒めれば良いというものでもありませんね。褒め方によってはプレッシャーを与えてしまったり、間違った方向で褒められようとするパターンが生まれてしまう可能性があります。
なので今回はそんな勿体ない褒め方、やってはいけない褒め方に注意して、子供の能力を最大限に発揮させる褒め方を紹介したいと思います。
そもそもなぜ褒めるのか?
そもそも褒めるというのはどういうものなのか?
褒めることの本質は何なのだろうか?
なぜ子供は褒めてほしいのだろうか?
考えたことがありますか?
そもそも子供は親や先生に評価されたいのではなく、出来たことや新たに発見したことを共有したいのです。
喜び、興奮、驚きなどを大切な人と一緒にわかちあうことで、自分の居場所があるという感覚が生まれ、幸福感が生まれます。
ここを知ると、何をすべきなのかということが必然的に見えてきます。
子供の達成感や気付いた事を共感してあげる。そして褒めるというよりは認めてあげるということが大切になります。
ここが「褒める」ということの根幹的な意味です。共感して子供の感情を認めてあげる行為が褒めるという行為なのです。それが役に立つとか、結果出来たか出来ないか、などといったことはどうでも良いのです。
これを踏まえた上で、注意したい褒め方などを見ていきましょう。
絶対にやってはいけない褒め方
まずは絶対にやってはいけない褒め方について見ていきましょう。
他人と比較して褒める
「~ちゃんと比べて折り紙が上手だね」
「~くんよりも頭が良いね!」
など、他人と比べて褒めることは当然ながらやってはいけません。が、兄弟をもっている親御さんだとたまに言ってしまう人を見かけます。
他人と比べるという行為をすると、もちろん下に見られた人は傷つき悲しい思いをしますし、後の争いの原因になりかねません。親は優劣で子供を見ていると感じてしまうため、劣っている子の方を見下したり、蹴落としたりしてしまいます。
もちろん劣っていると判断された子供は、「劣っている自分には価値がない」と思ってしまいます。
優れていると判断された子供も他人と比較して得た自信にしか過ぎないために、仮に優劣逆転したときの落ち込みは激しいものとなってしまいます。
そもそも他人と比較した自信や自己肯定感は揺らぎやすいし、個人という絶対的存在を認める行為には全くなっていません。誰かと比較して褒めることは絶対にやってはいけません。
親の言うことを聞くから褒める、「褒め」をエサにする褒め方。
「パパ、ママの言うことを良く聞くから偉いね!」
「親の言う通りにして、お利口ね!」
これもかなり危険な褒め方です。見て分かるとおり、親や大人の言うとおりにするから褒める、というのは逆に言えば「親や大人の言うことを聞いていない自分には価値がない」と感じてしまいます。
こういう褒め方をされ続けると、親の褒められることばかりにフォーカスする外発的動機に縛られ、自分がどうしたいのか?という自己決定が出来ないため、自分で決められない、自分の行動に自信の無い子に育ってしまいます。
親や大人都合で褒めるというのは避けましょう。
注意したい褒め方
次にやりがちだけど出来れば避けたい褒め方を挙げてみたいと思います。
人格褒め
「天才だね!」
「才能あるね!」
一見問題無さそうに感じるごく普通に使いそうなこの褒め方も、出来れば避けたい褒め方です。
なぜならこういった褒め方は時に子供にプレッシャーを与えてしまうからです。
例えば子供が100点取ったとして、「天才だね!」と褒めれば嬉しいと思いますが、「次に100点取れなかったらどうしよう?」というプレッシャーを感じることがあります。
それで次が70点だったとして、特に褒められなかったとなると、途端に自己肯定感が揺らぎます。
「自分ってダメなんだ・・」
となり、人格を褒めるとその分、出来なかった事に対して人格そのものを自己否定しがちになってしまう可能性もあります。
おざなり褒め
子供が何かを出来た、見せに来たときに具体性の欠ける、または毎回同じ事を言う褒め方をおざなり褒めと呼び、これもやってしまいがちな褒め方の1つです。
「凄いね。」
「上手ね。」
何か結果を出したときにただ何となく、さらっと言われたらどう思いますか?
「ああ、ちゃんと結果を見てくれないんだな・・」
と思ってしまいませんか?
子供も同じでそういう心は見透かされてしまいます。
先ほど褒めるというのは共感し、認める行為です。おざなりに褒めるという事はそういった一緒に共感してあげ、その存在を認めるという行為に対してぞんざいな扱いを受けていると感じます。
そうなると、「どんなに頑張っても、大して見てくれない」と感じ、努力すること自体を止めてしまう可能性があります。
ベストな褒め方
じゃあどんな褒め方をすれば良いの?というお話です。
プロセスを褒める
「毎日練習頑張ってたもんね!」
「100点取るまでに毎日努力してたもんね!」
という子供の行動や努力に関して褒めてあげる。これが最高の褒め方です。
子供が出した結果に対して褒めてあげる、それも良いことだと思います。でもプロセスを褒めるというのは、結果が出ていても、出ていなくても褒めることが出来ます。
さらにプロセスにフォーカスするというのはその努力の過程を親が観察していなければ出来ません。故にあなたを具体的に見ていたよ、というおざなりじゃない褒め方が出来るのです。
そしてプロセスを褒めてあげることで、さらに良いプロセスを積み上げる努力が出来るということです。
プロセスを褒めるというのは結果が良くても良くなくても、相手の存在を認め、それまでの過程を共感してあげることですから、例え結果が悪くても自分を認めてもらえたと感じれば、努力を止めたりすることはなく、自分で考え、より良いプロセスを作り上げていけます。
具体的に褒める
プロセス褒めに加えると良いのがもっと具体的に褒めるということです。
過程にフォーカスするのは良いですが、具体的にどんなところを頑張っていたのか、どんな努力を見ていたのか、これを言えると最高の褒め方に変わります。
「努力してきたもんね!」
と言ってもじゃあどんな努力を見てきたのか、というのは前述したとおり親の観察する力と努力が必要です。
「苦手な数学の二次関数に時間を掛けてたもんね」
「パス回しが前の試合よりも上手になったね」
など具体的に褒めることで親が努力を認めてくれたこと、そして見て欲しかった努力の過程をピンポイントで言ってくれるととても嬉しくなります。
このプロセス褒めと具体的に褒める。上手に組み合わせて最高の褒め方で子供の自己肯定感と自信を付けてあげましょう。
褒め方で子供の人生はより良くなる
いかがだったでしょうか?こうやって見ると、褒め方というのもたくさんの注意点がありますね。
でも前述したとおり、褒め方に関してあまり考えすぎてしまう必要はないと思っています。
なぜなら、考えすぎて褒めるというチャンスを逃がしてしまう。これもまた勿体ない事ですし、問題が生じてしまいます。
そして私も
「偉いね!」
「上手!」
などと具体性の欠ける褒め方をしてしまう時は多々あります。親だって時間が無いですから四六時中子供の過程を見てる余裕はないです。なのでベストな褒め方を100%しなければ、というよりはもっと肩の力を抜いて、意識してみることから始めてみましょう。
まずは絶対にしてはいけない褒め方
ここは絶対に注意して使わないようにしましょう。
そのうえで
・人格褒め
・おざなり褒め
この辺はつい使ってしまいがちですが、極力意識してプロセス褒めに変換するようにしましょう。
そのうえで
これを常に使えるようにすれば最高!そして具体的に褒められるように子供を観察するようにしましょう。
という感覚を身につけていければ良いでしょう。
認める、共感、プロセス、具体的に褒める。
この4つがキーワードだと認識しておきましょう。
意識するだけで今日からの褒め方が大分変わります。まずは意識して、何度も繰り返して、大人から最高の褒め方を実践できるようにしていきましょう!
最後までお読みくださりありがとうございました。
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