坊っちゃんから学ぶ子供に自信を与える方法

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文豪の書籍から学ぶ子育てのメソッド

読書の秋ですね。最近はインプットの過程でたくさん本を読むことを心掛けています。最近は明治や大正などのいわゆる文豪達の作品というものも読んでみました。

文豪達の作品も今や無料で、アプリで読めるので気軽に読めるし、学校で教わってこなかった、そして今までよく知らなかった作品などを改めて読む良い機会になりました。

そんな中、教育という分野において非常に面白いなと感じる1冊があったので紹介します。夏目漱石の「坊ちゃん」です。坊っちゃんって、有名な小説ではあるけれど、中身がどんなのか知らなかったです。今回はこの「坊っちゃん」を踏まえて、子供の声かけで大切な事をピックアップしてみたいと思います。

根拠の無い自信を送り続ける

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」で始まることで有名な坊っちゃんですが、その無鉄砲さ故に両親や兄弟から疎まれ、このように書かれています。

父親には可愛がられず、母は兄ばかりを贔屓にしていた。

父親「どうせお前はろくな者にならない。お前は駄目だ!」
母親「乱暴で行く末が案じられる」
兄弟「親不孝ばかり。そして喧嘩ばかり」

父親には会う度このように言われ、母親は顔も見たくないと言われ、その死に目に会うことも出来ず、兄弟からも批判される家族のもとにいたようです。いくら坊っちゃんが無謀な正確で困らせていたとはいえ、なんともいたたまれないです。

こうやって見ると家族全員から嫌われていて、父親も母親も全然坊っちゃんを可愛がっているとは思えませんよね。現代では完全に自己肯定感を下げられ、将来自信の無い子供に育ってしまいそうです。完全なる毒親、現代では教育云々の問題では無くなっているような気さえします。

しかし、そんな中、唯一坊っちゃんの味方である人がいました。清(キヨ)という下女、いわば家のお手伝いさんのような存在です。

清はことあるごとに坊っちゃんを庇い、彼に小遣いをくれたり、差し入れをあげたりして、彼を気遣います。家や町中で悪口を言われているほどの坊っちゃんですから、その優しさに不信感を最初こそ持っていますが、家を出て別々に暮らすと、常に清に会いたいと思うようになり、手紙のやり取りをしていました。

特に印象的だったのは清が坊っちゃんに掛ける言葉でした。

「あなたは真っ直ぐでよいご気性だ」
「立派な玄関をこしらえるに違いない」

常日頃から坊っちゃんに言っていました。ここの点は現代の教育でも通用する部分でもあると私は考えています。
それは根拠無き自信を与えるということです。

「自信には根拠が無いと駄目じゃないの?」と思われがちですが、逆に根拠のある自信というのは崩れてしまいがちです。なぜなら他社と比べて得られる自信だからです。

今回の期末テストで学年1位になった。確かに自信は付くかもしれませんね。でも次のテストで30位になってしまった。となったら自信は失墜してしまう、そういう理論になってしまいます。

「きっとあなたなら出来る!」そう言われ続けると、出来そうな気がしますし、何より信頼されている感が生まれます。誰かに信じて貰えることで、何かが出来そうという自信が生まれます。坊ちゃんも「清がなるなるというもんだから、何かにはなれるのだろう」というちょっとした自信が芽生えたようにも思えます。

そういう根拠無き自信を与えることによって子供の自信と自己肯定感をあげる事ができ、双方の信頼感は高まります。ここは坊ちゃんから学べる子育ての大きな部分であると言えます。

最後に

で、坊ちゃんって結局どんな話?というと、家を出て教師として愛媛に赴任し、そこで生徒や同僚達とドンパチやって最後はさっさと教師を辞めて東京へ帰るという話です。笑

坊ちゃんから何を学べるのかは諸説諸々ありますが、私は結局これはほぼ坊ちゃんと清の話なのではないかと思います。東京を離れ、卑怯明暗が渦巻く世界に出て、初めて裏表なく自分を愛してくれる清のありがたさや愛を知る。それを時より思い出しては手紙を送る。

清は坊ちゃんの母ではないですが、まるで母のような存在ですし、そんな清の存在があるからこそ、大物にこそはなれなかったものの悪い人間にはならず、1人の人間として過ごすことが出来たんじゃないだろうかと思うのです。

それを示すように最後は清と一緒に暮らしたこと、清が無くなり、墓が一緒のところにあることを最後は書いて終わっています。

常に子を思い、根拠の無い自信を送る、子供を信じること、それは今も廃れることのない子育ての形なのかもしれません。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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