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林真須美死刑囚の長男の書籍から、林一家の子供達のその後を知る。
以前記事の中で日本中を震撼させた、和歌山カレー事件を取り上げました。
和歌山カレー事件の真犯人は誰なのか?林真須美は冤罪?それとも冤罪ではない?事件の疑惑の捜査を解く
その中で数々の冤罪の疑惑、県警の疑わしい捜査やメディアの悪質な情報操作などを書きましたが、今回は林真須美が逮捕されたその日、全てが変わってしまった彼女の子供達の地獄のような日々をこの書籍を通して知りました。

林真須美死刑囚の長男は、母親が逮捕されたことで児童相談所、養護施設へと送られ、死刑囚の子供という肩書きで地獄のような日々を過ごしてきたと綴っています。
同じ養護施設での子供達や職員の暴力やいじめ、仕事はクビ、婚約破棄。どこへ行ってもついてくる死刑囚の子供という肩書き。自分を隠し続け、そしてバレるのではないかと、一生怯え続ける人生。
和歌山カレー事件での加害者家族の人生を見て、私たちが見ることはない加害者家族の人生を知り、考えてみようと思います。
ポイズンと呼ばれ続け、暴力、差別、解雇、婚約破棄を受けてきた長男
YouTubeやツイッターそして映画で「真実」を訴え続ける長男の現在
林真須美死刑囚の長男は前述の通り、林真須美の子供という肩書きで差別を受け続けていましたが、それでも和歌山カレー事件の真実やたくさんの冤罪の可能性を否定できないことから差別を恐れずSNSやYouTubeに出演し続け、発信を続けています。
長男が出演の和歌山カレー事件を語る動画。
和歌山カレー事件の真相に迫る映画、「マミー」。
長男はイケメン?
ネットでよく囁かれていますが長男はイケメンと呼ばれていることも多いようです。
書籍でもこのように書かれています。
浩二君(長男、仮名)のよれば、初めて彼に会うメディアの人の多くが、「意外だった」と言うそうだ。彼の印象があまりにも両親とかけ離れているからだろう。また、単純に整ったルックスに驚く人もいる。
引用:もう逃げない。~いままで黙っていた「家族」のこと 著者:林眞須美死刑囚長男
(中略)
12年前に愛美ちゃん(三女、仮名)に初めて会ったとき、あまりのかわいらしさに衝撃を受けた。
意外と美男美女揃いなのかもしれませんね。
そんな彼の人生もまた壮絶で、本来なら過去の経験からしても、ずっと素性を隠して生きている方が楽だったかもしれません。彼はどんな過去を持ち、なぜ発信を続けているのかを見てみましょう。
初日から子供達から殴る蹴るの暴力を受ける地獄の日々

和歌山カレー事件での林真須美の逮捕の日、子供達は児童相談所に連れて行かれました。
和歌山カレー事件での逮捕は大々的に報道され、その日に「林」という名字の子供が和歌山の児童相談所に連れてこられたのです。
そして初日で同じ相談所の子供達に複数で暴力を振るわれたそう。さらにマスコミの目を逃れるために、子供達はポスター貼りを命じられたことで、よりいっそう暴力の的になったようです。
逮捕されたその日は、本来なら小学校の運動会の日。普通の家族のように運動会を見て、みんなで昼食を囲むはずだったはず。楽しいはずの日を一気に地獄に墜とされた子供達はどのような気持ちだったのでしょうか?
その後、1週間程で全員児童養護施設に入所しますが、むしろそちらの方が地獄のようでした。長男の担任の先生や友人は彼を心配して寄せ書きを書いてくれたが、その寄せ書きも初日でゴミ箱に突っ込まれたといいます。
さらにここでも暴力は続き、体格の違う高校生にすら過度の暴力を受けていたといいます。
当然養護施設の暴力は長男だけに向けられたものではないようで、女子部屋では4歳の三女が主にいじめのターゲットにされていたようです。
まだ4歳で事情も分からなくて泣きじゃくる三女に対して怒鳴ったり、「うるさい!」と引っぱたいたりしていたようです。さらに掃除や洗濯の当番を押し付け、つねられたりの暴力も日常茶飯事だったそう。
どんな事情があっても子供達に、ましてや事情もよく分からない4歳に対して集団でいじめをする、というのがとても許せないと感じます。
和歌山少年暴行事件という性暴力被害まで出す最悪の施設
当然施設内の子供達はそんな感じで理解が出来ても、一番許せないのは施設にいる職員の存在です。
職員はこうした子供達の暴力やいじめを見て見ぬふりをしていたようです。それどころか、職員も子供達に日常的に暴力を振るっていたようで、わざと服に隠れて痣が見えないところを狙っていたようです。
さらに酷いのは、ある女性職員が複数の子供に対して性的関係を強要していたということです。
和歌山少年暴行事件
長男もそのターゲットにされ、こういった施設の見て見ぬふりや手を差し伸べてくれない環境に助けを求められなかったようです。
もっともこの事を後日姉に伝え、抗議してくれたことで後々被害者が次々と名乗り出て問題となり、女性職員は解雇、保育士登録も抹消されたよう。
そこまで騒ぎになるまで、施設は見て見ぬふりをしていたようで、本当に悪質で最悪の施設だなと感じますね。
どんな理由があろうとも、親のいない子供や事情を抱えた子供を地獄に墜とす外道の所業であり、こういった施設の職員は全員教育現場から排除するべきだとつくづく感じます。
おまえは学校に来なくても卒業させてやる

長男は高校に入学した際、このように言われたといいます。高校側にとってもカレー事件の死刑囚の子供が入学してくることは迷惑と言わんばかりに。
ここでも彼は必死に素性を隠し、それなりに普通の高校生活を送ったようでしたが、全てを隠し通せたわけではないようです。
バスケの試合中には「死刑囚の子ども!」とヤジを飛ばされたこともあったようです。付き合い始めた彼女からは「距離を置こう!」と言われたり、急に露骨に態度を変えた友人もいたようです。
高校3年の頃、父が刑務所から出所したとき、マスコミが高校に押し寄せてきたようで、そこで完全に身元がバレてしまったようです。
校長は「卒業させてやるから、もう高校に来なくていい!」と言い、長男も卒業まで通うことはなかったようです。
ここに来ても倫理観の無いマスコミや大人に苦しめられ続けた過去をうかがうことが出来ます。
衛生的に問題があるんだよね
高校を卒業後は、姉の元に身を寄せながら、なんとか自立しようと、アルバイトをしながらお金を貯めていたようです。
レストランでアルバイトをしてしばらく経った頃、このように言われたようです。
「君はカレー事件の林真須美の息子なの?」
「うちは食べ物を扱っている店だから、衛生的に問題があるんだよね」
カレー事件から毒物を連想したのだろう。間接的に「辞めてくれ」と言わんばかりだったようです。彼はその言葉通り仕事を辞めました。
大事な娘を死刑囚の息子にやれるか!
その後長男は紆余曲折ありながらも、友人の紹介で定職に就くことができ、生活は安定し始めます。そして結婚したいという彼女も現れ、少しずつ幸せな1人の男性になろうとしていました。
しかし、結婚の条件は、死刑囚の息子だと言うことを義理の両親にも隠し通すことだったと言います。
1人の男として幸せを掴むというチャンスの一方で、無実かもしれない母と断絶し、その過去を隠し生きていくという狭間の中で彼はずっと悩み続けていたようです。それでもしばらくは両親は交通事故で亡くなったということにしていたようです。
しかし、ある日両親について聞かれ、良心の呵責に堪えかね、彼はカレー事件の死刑囚の息子ということを告白します。すると、あんなに優しかった義理の父親は「大事な娘を死刑囚の息子にやれるか!」と激怒したようです。
死刑囚の息子というだけで、「普通」の男性としての幸せは掴めない。これは真理なのでしょうか?
しかし、こうした出来事がきっかけで、彼は「林真須美」の息子であることから逃げない決心をしたのかもしれません。
母親の代わりに弟と妹を守ろうとした林真須美の長女

一方の長男の姉にもあたる長女は、姉御肌で、下のきょうだいがいじめられていたり、刑事やマスコミの理不尽な対応に対して決してひるまず、弱音も吐かなかったといいます。
母である林真須美死刑囚が死刑判決が下ったときも、「泣いたらあかんで、泣くなら1人で泣きなよ」と激励し続けていたようです。
母の逮捕後も面倒見が良く、きょうだいが取り調べに連れて行かれても「分からないことは分からないと言いなさい!」と、ずっと面倒を見ていたそうです。
高校中退後は、アパレル関係の仕事に就き、歩合制の仕事にも関わらず、営業成績は良かったようです。中卒で親の援助も無いなかで、就職し、バリバリ稼ぐことからも、長女のたくましさをうかがい知る事が出来ます。
それでも泣いた姿を2度見たそうです。
児相の園長にカレーを運んだ後「これ、ヒ素入ってると違うんか?」と言われた時。そして、自宅が放火された時。
下のきょうだいを守ると弱音を見せなかった長女もずっと辛かったのだと感じさせます。
そんな長女も、結婚し、新たな家庭を築き始めると子供を世間やマスコミから遠ざけるためなのか、母や父とは疎遠になっていったと言います。
関空の連絡橋から飛び降り無理心中した長女。娘の鶴崎心桜さんと何があったのか?
そんな長女ですが、2021年6月9日に、飛び降り自殺をしたと報じられます。
その時には、長女にとって次女である4歳の娘と無理心中をしたようです。(次女とか長女とか間際らしいので、ここでは書籍に乗っ取り林真須美の長女をここでは「恵美」と呼びます。)
事の発端は、和歌山市のアパートの2階で16歳の鶴崎心桜さんという少女が倒れているのが発見され、後に外傷性ショックで死亡しました。
その鶴崎心桜さんが恵美さんの住むアパートに住んでいたことから、恵美さんの長女だとされています。心桜さんは身体に複数の痣の後があり、虐待を受けていた可能性が高いとしています。
警察は保護責任者遺棄致死罪で恵美さんの夫、心桜さんの義理の父親を逮捕し、恵美さんは死亡しましたが、書類送検されました。
心桜さんは前の夫と離婚しており、親権は前の夫に渡っていましたが、仕事が忙しいという理由で恵美さんが引き取ったとされています。
逮捕された夫は、恵美さんが心桜さんに日常的に暴力を振るい、中学校も行かせず支配していたとしています。
その暴力の末に、心桜さんが死亡してしまい、林真須美死刑囚の娘で、事件を起こしたことでマスコミや警察に知られることを恐れたため自ら命を絶ったとされています。
事実は分かりませんが、私からすると、半分は「本当か?」と言いたくなります。「死人に口なし!」と言わんばかりに、夫が恵美さんに全ての罪を着せているのではないかと思ってしまいます。
あれほどきょうだいを守り、母親代わりをしてきた彼女が実の子に暴力を振るうものなのか?と。さらに自分自身も暴力や理不尽に散々苦しめられて来たのに、そんなことするものなのか?
義理の父親であるという立場からも全ては信じられないですね。仮に暴力を振るっていたとしてもなぜだろうと私もさまざまな憶測をめぐらせてみましたが、事実は闇の中です。
1つはっきりと言えるのは、カレー事件という暗い影がこの事件にもあるということです。カレー事件が無ければ彼女も自殺することは無かったと思うし、何かしらの苦しみがさらに恵美さんの心を追い詰めるきっかけにはなったと思います。
加害者家族を守るということ
最後に私が言いたいのは「加害者家族は幸せになってはいけないのか?」ということです。
今回かなりの冤罪の証拠や疑惑が浮上している事件ですが、林真須美死刑囚が実際に犯人であろうがなかろうが、子供達やその家族が不幸になり、苦しめられる必要は無いということです。
そもそも子供達が何をしたのでしょうか?何の罪があるのでしょうか?
今回の和歌山カレー事件を見て思うのは、日本は加害者家族をカーストの最底辺に置き、何をしても良いという悪しき文化があることです。
確かに被害者にとっては加害者に憎しみや処罰を求めるのは当然の権利です。しかし、それ以外の人間が憎しみを増幅させ、まして勝手にその家族を処罰することはあってはならないのです。
もちろん、凄惨な事件を知り、そういった再発防止や国民の声を届けることは大切です。
しかし今の日本の在り方は、加害者やその家族をとことん追い詰め、晒し者にして楽しむという、現代のエンターテイメントになってるに過ぎないのです。それはまさに現代版のコロッセオと変わりません。
これからの時代に必要なのは、国民全体が、加害者家族家族を裁くという思考から、加害者家族を守るという思考にシフトチェンジすることです。
なぜなら、今の時代誰がどのような犯罪を犯すかは分からないのです。明日あなたの身内が凄惨な事件を起こさないとも言えないのです。人を晒して喜んでいた人間も、明日は見せしめを受ける側になるかもしれない。
だからこそ、人を晒すのではなく、加害者家族を守ることで更なる犯罪や事件、そして不幸を無くしていく事が出来ます。
憎しみは憎しみしか呼ばず、人をダシにしてうさを晴らす人間は必ず自分に返ってきます。この書籍や和歌山カレー事件の子供達を知り、そういった考えがこの日本に根付いて欲しいと思っています。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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