親子関係を一気に崩すダブルバインドの悪影響
ダブルバインドという言葉をご存じですか?これは日本語では二重拘束と言われ、最初に伝えられたメッセージと後から伝えるメッセージに矛盾があることです。
例えば、あなたもこんな理不尽を経験したことはありませんか?
「分からないことがあったら、何でも聞いてくれ」
しかしいざ分からないことがあり、質問してみると
「こんなことも分からないのか!」
「自分で考えて解決しろ!」
などと言われる
「何か提案や改善案があれば教えてくれ」
いざ改善案を言うと
「お前には10年早い!」
「こんな事は現実的ではない!」
などと突き返される。
いや、言ってること違うじゃん?と嫌な思いをしたことがきっとあると思います。これがダブルバインドであり、これをされると相手に対する不信感を感じるし、次からは何かを言おうという気がなくなります。
これは育児に対しても同じで、ダブルバインドをされる事によって親子の信頼感は一気に下がりますし、場合によっては子供の心を長い間閉じてしまう可能性すらあります。
まず自己肯定感が下がり、自分に自信が無くなります。どちらを選んでも怒られるわけですから、「自分は何をやってもダメなのか・・」という自信喪失してしまいます。もしくはどうせどっちやっても無駄!となり、何をするにも適当な事しかしなくなります。そして子供自身が考えるという自習性の機会も失います。
「絶対に怒らないから言ってごらん」
「実は壺割っちゃって」
「なんであんな高級な壺の近くで遊ぶのーー!!」
など、絶対に怒らないという条件に対して子供が正直に言ったら結果怒る。という最悪の矛盾です。もちろん気持ちは分かりますけどね。
また、言葉にしなくても態度などによって矛盾した情報を与えることもダブルバインドです。
「無理して学校に行かなくても良いよ!」
と言いながらも、あからさまに不機嫌な態度を取ったり、ため息をつくなど、間接的に相手にストレスを与えるパターンです。
このように職場や育児、どのような場面においてもダブルバインドをされるストレスは大きく、お互いの信頼関係を揺るがす行為です。ではこのダブルバインドをどのように防いでいけば良いでしょう。
ダブルバインドを防ぐには
一番シンプルなのが、一度決めた約束は絶対に守るということです。絶対に怒らないからと言った以上何が起きても絶対に怒ってはいけないです。
子供の方も言うのはそれなりの覚悟が必要だったはずです。それを勇気を持っていったので、絶対に怒ってはいけないのです。もちろん言ってくれてありがとうまでは言えないにしても、肯定し、否定をしないということを心掛けます。
落ち着いてどのような経緯でそれに至って、結果なぜそうなってしまって、それをどう対処するか、そしてそうならないようにどうしていくべきか、落ち着いて話し合っていきましょう。
そうすることによって解決策や予防策を子供と一緒に考えられるだけでなく、親子での信頼関係も良くなり、子供も親に話しやすくなります。
また、条件やルールを予め決めておける約束事なら、設定しておきましょう。
「今日はどこか好きなところに遊びに行こう!ただ明日は早いから、早く帰れる市内で遊びに行こう。」
「ここでなら好きに遊んで良いよ。ただし小さい子供もいるから、赤ちゃんスペースには行かないでね。」
など、ある程度条件を設定してその条件下でというもとならば、ダブルバインドは発生しにくくなります。
私たちも人間ですから、我慢しながらも受け入れなくてはならないみたいな場面はやっぱり存在します。ある意味自己ダブルバインドみたいな。だからこそ我慢できる事と出来ない事の境界線がどうしても発生してしまい、子供の行動が我慢の境界線を大きく越えてしまうと、感情的になってしまいます。
それはある意味人間だし、仕方の無いことです。しかし、そういったことを少しでも防ぎ、良好な親子関係を築くためには感情的にならずに冷静になって解決しなくてはいけません。
難しいことですが、心掛けることによって防ぐことも多くなっていきます。
このような場面に直面したときは、ふと思い出してみてください。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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