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絵本紹介で著作権違反していませんか?
「この絵本感動するな」
「この絵本みんなに知ってほしいな」
そう思ったことはありませんか?
しかし、安易にSNSやブログに見開きや中の文章をアップロードしてしまうのは著作権違反になってしまう場合があります。中には要約禁止、表紙画像すら禁止という厳しい出版社すらあります。
とはいえ、絵本は中の素晴らしい絵と文章が一体になって創らされているので、やっぱり表紙画像や出来れば中身も少しは載せたいですよね?
ということで絵本の紹介や掲載はどこまでがOKでどこまでがNGなのか、出版社に問い合わせてみました。絵本を紹介するときの参考になれば幸いです。
偕成社の著作権の範囲のお問い合わせ
偕成社さんの著作権範囲について結論を言うと
表紙
→○
掲載OK。書名、著作者名、出版社名を紹介・明記、表紙画像使用の際は子社のサイトからダウンロードOK
見開き
→○
2見開きまでならOK。表紙画像と合わせて紹介
偕成社さんの詳しい著作権の範囲については公式ページと著作権Q&Aのページをご参照ください。
偕成社公式ホームページ
→https://www.kaiseisha.co.jp/information/copyrights
偕成社著作権Q&A。pdfのページ
→https://www.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2020/04/online_copyrights_kaiseisha.pdf
偕成社さんは表紙画像についてのみならず、見開きの公開を公言しているという親切で範囲の広い出版社さんです。掲載に関しては上記の明記や見開きのページ数を守って公開しましょう。
私は以前「はらぺこあおむし」の絵本を紹介したのですが、これらの事を遵守したうえで、偕成社さんに確認の問い合わせをしてみました。

こちらのお問い合わせに対する回答は以下でした。

あちゃー、訳者名の記載も必要だったんですね。改めてそちらを付け加えました。もちろんサイト自体も確認して頂けました。そして出来上がったサイトがこちらになります。
→はらぺこあおむしの作者が絵本の中で本当に伝えたかったこと。人気の秘密と隠されたメッセージを考察する
偕成社さんはお問い合わせから受け答えまでとても親切に回答して頂けました。偕成社出版の絵本については記事にした場合は必ず著作権違反していないかの確認をしてもらうと良いでしょう。アドバイスや確認を親切に行ってくれます。
学研(学研プラス)の著作権の範囲のお問い合わせ
続きまして学研さんの公開範囲についてです。
表紙
→○
表紙画像については問題ないとの事だが、公式ホームページには表紙OKとの記載が無いので、その都度出版社に問い合わせるのがベスト
見開き
→○
作者に確認する必要があるため、問い合わせで確認は必須。使用したいページはあらかじめどのページを掲載したいのか明記しておくとよりスムーズ(お問い合わせページで画像のアップロードなどは行えないため)。また、サイトが既に完成しているなら、URLも送ると親切。
学研さんの著作権のホームページです。
学研公式ホームページ
→https://www.corp-gakken.co.jp/rights/
こちらのページでは禁止事項は記載されていても、実際に掲載OKなどの詳細は無いので不安になりますよね。私も「いつでも会える」や、「こねこのはなしではないおはなし」という絵本について記事を書いたのですが、著作権が守られているのか不安だったので、問い合わせてみることにしました。そして以下の回答を頂きました。

この回答は「いつでも会える」という絵本に関してのお問い合わせに関してです。作者の菊田まりこ先生に直接画像使用の確認と承諾をして頂いたうえで上記の条件でOKとなりました。
それより嬉しいのが、作者の菊田まりこ先生より直々にメッセージを頂いた事でした。この絵本は私も本当に感動したイチオシなので、直接メッセージを頂いたことが嬉しくてたまりません。

先生から直接確認、許可も頂きましたので改めて出来上がったサイトはこちらです。
→子供と死について考える絵本「いつでも会える」。大人も泣ける絵本のあらすじと学べること
同じくして、「こねこのはなしではないおはなし」についても許可を頂けました
→みんなで力を合わせる大切さを教える絵本。猫の絵本じゃない絵本。「こねこのはなしではないおはなし」
学研さんの対応はとても親切で、受け答えも丁寧ですので、学研さんの絵本を紹介する際はしっかりとお問い合わせを行い、著作権違反をしていないか確認してもらうと良いでしょう。きっと良いアドバイスを頂けるはずです。
講談社の著作権の範囲のお問い合わせ
続きまして講談社さんの公開範囲についてです。
表紙画像
→✕
見開き
→✕
講談社さんのホームページを参照します
→https://www.kodansha.co.jp/copyright.html
講談社さんに関しましては、表紙画像はおろか、見開きや出版物の要約すら禁止されているようです。そのうえで個人に対しての著作権の使用許可等は一切してないようです。厳しいですね。
ですが、一応問い合わせてみました。

こちらに対して以下の回答でした。

一切の許可の対応などは行ってもらえず、取り付く島なしって感じです。
私は以前「100万回生きたねこ」という絵本についてのブログを掲載してましたが、出版社から要約の許可も頂けなさそうなので、残念ながら削除しました。
今後講談社さんの絵本を紹介するのはちょっと難しそうなので、個人サイトで絵本の紹介をする際は注意しましょう。
福音館書店の著作権の範囲
続きまして福音館書店さんの公開範囲についてです。
表紙画像
→○
表紙に関しては承諾は不要。但し、著者により承諾が必要な場合があるので、公式ホームページの「著作権索」より著者を検索し、承諾が必要か要確認。表紙画像は福音館書店のホームページからコピーしてOK
見開き
→○
明記なし。問い合わせてみてこちらはOKでしたが、問い合わせは必須。
福音館書店さんのホームページはこちらです。
→https://www.fukuinkan.co.jp/copyright.html
福音館書店さんは表紙画像の公開については承諾不要としていますので、表紙画像は安心して使用できますね。見開きに関してですが、こちらは具体的に明記されていませんので問い合わせてみることにしました。

との事でした。見開きは2場面までOKのようです。しかしながらアフィリエイトリンクは外すように、と言われました。2作品とも実際はアフィリエイトリンクは貼っていないのですが、「アフィリエイト広告を利用しているものがあります」という記載でそう思われたのでしょうね。
私だけなのかもしれませんが、アフィリエイトで絵本を紹介する場合は、外してくれというお願いをされる可能性があるので、アフィリエイト紹介をしたい場合は、事前に確認しておくと良いでしょう。
福音館書店さんからは「あおいトラ」、「たまごをうってこぶたをかって」という記事を書いたのですが、見開き公開OKとの事でしたので、掲載し、以下のページに生まれ変わりました。
→こどものともから出版されていた幻の絵本、あおいトラから学ぶ子供が自信と自己肯定感を上げる方法
→失敗や挫折をしても大丈夫。絵本「たまごをうってこぶたをかって」から学べること、あらすじ
福音館書店さんは見開きや表紙画像についてはあまり言及されませんが、今回のアフィリエイトリンクについての件もあるので、福音館書店さんに関しましても紹介したい絵本がある場合や、サイトが完成した場合は、一度確認と問い合わせを行うと良いでしょう。
KADOKAWAの著作権の範囲
最後にKADOKAWAさんの公開範囲についてです。
表紙画像
→✕
見開き
→✕
KADOKAWAさんに関しましても、表紙やパッケージ画像の掲載を禁止しているようです。こちらも講談社さんと同じく厳しそうですが、問い合わせをしてみました。

こちらに対して以下の回答でした。

残念ながら表紙画像などの掲載の許可を得ることができませんでした。仕方が無いのでKADOKAWAさんから出版されている「わすれていいから」という絵本は表紙や見開きを使用せず、あらすじもKADOKAWAさんのホームページから見てみてね、というスタンスでブログを更新しました。
→誰も死なないけど死がそこにある絵本。残された大切な人にペットが送る感動の言葉「わすれていいから」。
KADOKAWAさんの絵本を紹介する際は、以上を加味しましょう。
絵本の読み聞かせをyoutubeにアップするのは著作権違反?

絵本の読み聞かせについて出版社4社のサイトを確認しましたが、基本的に自分が読み聞かせをした動画をアップロードするのは許可が必要、もしくは禁止とされています。
最近では絵本の読み聞かせをyoutubeに読み聞かせをアップロードする動画が増え、削除依頼ケースも急増したと言います。特に近年ではコロナの影響で外出出来ない親子が動画に読み聞かせをしてもらうという需要が増えたため、いわゆる「善意のアップロード」をする人も多くなったと言いますが、それでも立派な著作権違反です。
最近では「だるまさん」シリーズの出版社であるブロンズ社がこの「だるまさん」に関する違法アップロードが増えたとのことで、削除依頼や、著作権の許可申請のお願いなどの告知の動きに出たことは有名なお話です。
→ブロンズ新社公式ブログ
読み聞かせをする場合は必ず出版社に事前に承諾の確認を取るようにしましょう。
自動生成されるアフィリエイト表紙画像って大丈夫?
絵本の表紙画像は掲載を禁止している出版社、掲載OKの出版社がありましたが、自動生成されるアフィリエイト表紙画像ってどうなのでしょうか?
↑
こういうのとか。
結論から言うと、大丈夫なようです。こちらの記事を参考にさせて頂きました。
→アフィリエイト画像を使って絵本を紹介する場合のやり方や著作権について注意すべきポイント
そもそも絵本の表紙自体は「商品」とされる事も多く、実際は表紙画像の掲載自体は著作権違反にはならないようです。しかし実際は表紙画像掲載禁止とされている出版社もあるので、一度問い合わせてみると良いでしょう。
また、上記の記事のように自動生成されるアフィリエイト表紙画像は違法や著作権違反にはならないようですが、前述の福音館書店さんのように、アフィリエイトリンクは削除してくださいと言われる可能性があるので、こちらも出版社ごとに確認は取った方が良いでしょう。
はらぺこあおむし、ぐりとぐらは著作権フリー?

よく誤解されるのが著作権は作者の死後、70年が経過すると著作権が消滅するということです。出版されてから70年後ではないということに注意してください。
「はらぺこあおむし」や「ぐりとぐら」は1960年代から親しまれている名作ですが、その著作権は消滅していないということです。エリックカールさんが亡くなったのは2021年ですから、著作権フリーとなるのは2091年です。また、「ぐりとぐら」の作者の中川李枝子さんが亡くなったのは2024年ですので、著作権が消滅するのは2094年ということになります。
なので、安易に読み聞かせや無断転載はしないように注意をしましょう。
青空文庫は著作権フリーの名作一覧を見ることが出来る
著作権が切れたり、著者が承諾した作品を見ることが出来る青空文庫というサイトがあります。著作権フリーとなっているか、公開出来るかはこちらのサイトを参考にすると良いでしょう。
青空文庫の公式サイト
→https://www.aozora.gr.jp/
まとめ

ここまで5社の著作権について実際に問い合わせてみました。いかがだったでしょうか?
「あの出版社の絵本の紹介は難しそう・・」
「この絵本ならアフィリエイトで紹介することが出来そうかも!」
など出版社によってさまざまですよね。今後はどの絵本を紹介したいか、だけではなく、どの出版社から出されている絵本なのか?を選定するとよりスムーズに文章や紹介が出来ると思います。
また、ここに載せたお問い合わせは作者様から許可を得た絵本もありますが、実際は出版社がOKでも、作者はNGといったケースがあったり、この絵本の紹介に際しては見開きは出来ないなどの制約が絵本ごとにあるかもしれません。いずれにしても大切なのは、紹介したい絵本や、サイトが出来上がったら一度見てもらう、問い合わせてみる事を習慣づけましょう。
絵本は子供に大切な事や様々な学びを与えます。そんな想いをのせた絵本を法律違反や約束事を破って大人が紹介する、ということは無いようにしたいものです。
是非今回の記事を参考にしてみてください。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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