子供と読み、考えたいタルムードの小話。成功者が多いユダヤ人が子供達に教えていること

目次

ユダヤ人は幼児からどのような教育を受けていたのか?

地球の全人口の0.25%ほどしかいないユダヤ人。

ユダヤ人は大昔にローマ帝国によって国を追われ、その後も迫害を受け続け、有名なのはナチスのホロコーストにより600万人ものユダヤ人が虐殺されました。

迫害、虐殺、多くの暗い歴史の中で、それでもユダヤ人はユダヤ人であることを手放さず、決してユダヤ人の誇りとユダヤ教を長い歴史の中で手放すことはありませんでした。

今ではノーベル賞受賞者の20%近くがユダヤ人と言われ、名だたる有名人や成功者の多くはユダヤ人です。

ユダヤ人の成功者、有名人
・ラリーページ(Google創業者)
・スティーブンスピルバーグ(映画監督)
・レイ・クロック(マクドナルド創業者)
・アンディ・グローブ(インテル創業者)
・ブルームバーグ(ブルームバーグ創業者)
・アルベルト・アインシュタイン(科学者)

などなど、挙げれば枚挙に暇がないほどの成功者を生み出しています。

地球上には0.25%しかいない民族が、ここまで多くの成功者を輩出するほど頭脳が優秀なのはなぜなのだろうか?

それはユダヤの教えが優れていて、かつ現代でも通じるものだからです。そしてユダヤの宗教的典範、タルムードは大切な教えを子供でも分かる小話として子供の頃から教えられ、学んでいくのです。

今回はそんなタルムードから、現代にも通じる教えを学んでいこうと思います。

最小リスクで最適効果を得る キツネと葡萄畑

タルムードの小話の1つ、キツネと葡萄畑のお話。

ある日、キツネが葡萄畑のそばを通りかかった。
あまりに美味しそうな葡萄が垂れ下がっているので畑に入ろうとしたが、葡萄畑には柵がしてあった。
キツネは野ウサギを捕まえるのをやめてダイエットすれば痩せて柵の隙間を通れると考えた。

キツネは空腹を我慢し、やっと柵を通れるくらいに痩せた。
キツネは葡萄のあまりの美味しさに、全ての葡萄を食べてしまった。
気がついたらキツネはお腹がパンパンに膨れ上がり柵から出られなくなっていた。

打開策のプランとしては2つ

プランA
食べた葡萄を全て吐き出す

プランB
猟師に見つかるかもしれないが、柵に留まり、痩せるのを待つ。

あなたならどちらを選びますか?

ユダヤの母親はこの小話を聞かせた上で子供達にどうするかを訪ねるそうです。

プランAは苦労した報酬を全て無駄にする行為です。プランBは報酬は得るが、リスクが高すぎる行為です。正直このどちらもあまり良い判断ではなさそうですね。

これは決してAかBかどちらかを選び、どちらが正解かを選ぶお話ではないということです。ユダヤの母親は他にキツネが葡萄を得るための他の手段、つまりC案やD案が無かったかを子供達に考えさせます。

そもそもお腹いっぱいに食べたからこのようなAやBのような案を考えなければならないわけで、毎日少しずつ食べればお腹も膨れずに報酬にありつけますね。

毎日来ると猟師に見つかるリスクがあるなら、極力巣に持って帰るという手段もありそうです。

そもそも、キツネが葡萄畑に入らずに、リスや鳥たちに取ってきてもらうのはどうでしょう?それならば自分が危険を冒すリスクは少なそうですね。

ユダヤの母親は、もし子供がこういった案を出したら、その案に対して

「なぜ?どうやって?」

を質問してどんどん考えを深掘りしていきます。

子供:「リスに頼んで取りに行ってもらう」

母親:「他のキツネも同じようにリスに頼んだら競争になるけどどうする?」

子供:「地上のリスじゃなくて、空から柵の中の葡萄を取って来られる鳥に頼む」

母親:「空を飛ぶ鳥に、どうやって頼み事をするんだい?」

子供:「空から良く見えるように地面に大きなチェス盤みたいな模様を描いて、そこに鳥の好きな木の実を置いといたら、来てくれるんじゃないかな」

母親:「いい考えだね。なかなかそこまで思いつかないよ。でもお前、他のキツネがそれを見て真似したらどうする?鳥はそっちに行っちゃうかもしれないよ」

子供:「鳥さんが来てくれたときに『葡萄を取って来てくれたら、次にはもっと美味しい木の実を、もっとたくさん置いてあげるよ。ただし、地面に描くのは別の模様にするよ。どんな模様にするかは、君が葡萄を取って来てくれた時に、こっそり教えてあげる』と言うよ」

参照:ユダヤ人の成功哲学『タルムード』金言集より 著:石角 完爾

このように、最小リスクで最適な効果を考えるだけでなく、ライバルと差別化出来るように参入障壁を高くすることまで考えていきます。

ユダヤの子供達は子供の頃からこのようにビジネスの考え方を学んでいくようです。

タルムードには他にもいろいろな小話があり、同じく子供に「なぜ?」を考える話がたくさんあるのです。そしてA案やB案などがありますが、他にもC案やD案が無いか?という事を突き詰めて考えていきます。

日本においては親や先生が1つの答えや考え方を一方的に押しつけるトップダウン式の教育が一般的ですが、それでは残念ながら思考力は伸びないんですね。子供が自ら考え、様々な視点や案を自ら捻り出していく、このタルムードの教えが必要だと感じています。

日本では大人も適正なリスクの取り方などの知識が浅いので、子供と一緒に「なぜ?」「どうしたらよい?」を考える良い機会になりそうです。

個性を伸ばす教育の大切さ 愚かな農夫

続いては、一律教育について考えるタルムードの小話です。

愚かな農夫がいた。耕作用の牛と、荷物運搬用のロバに同じくびき(車を引くために使う横木)をつけて牛とロバを一緒に進ませようとした。しかし、ロバと牛は足並みが揃わず、歩みを止めてしまう。

農夫は「なぜ2匹とも動かない!」と、牛とロバをムチで打ち続けた。そのため牛とロバは死んでしまった。
その後も農夫はまたロバと牛にまたくびきをつけ、また同じようにムチを打ち続け、自分の間違いには気付けなかった。

農夫は生涯貧しい暮らしから抜けられなかった。

これは何を教えているのでしょうか?

ロバと牛はそれぞれ得意なことが違う子供の例えです。その得意や個性が違う子供達に一律の教育を強いても、個性や得意が活かせず、個性を殺してしまう、という例えです。

日本は平均点や偏差値で今でも子供達の能力を図っています。

国語が70点、数学が70点の平均70点の子供。
国語が90点、でも数学が20点の平均55点の子供。

平均点が劣っている後者の子供は日本ではよく「落ちこぼれ」とか前者の子供に比べ「劣っている」と言われがちですよね。

ですが、こういった平均点、偏差値では図れないものがたくさんあります。国語が得意なら国語を伸ばせば良いし、数学が好きなら、数学をうんと伸ばせば良いのです。

アメリカやヨーロッパなどでは、既に子供1人1人の個性を伸ばすカリキュラムが導入されているし、日本においても導入されつつある、モンテッソーリ教育や、レッジョ・エミリア教育もまた、子供の個性を尊重し、能力を伸ばすことを主体としていますが、一部の保育園で導入されているのみで、まだまだ「個性を尊重し、得意を伸ばす教育」が浸透するのは先になりそうです。

だからこそ家庭教育において、子供の個性や得意を見逃さず、よく観察し、伸ばすことが大切です。子供の良いところを一番理解できるのは他ならぬ親であるあなたしかいません。他の子供達と比較して叱ったり、苦手なところばかり着目する教育からは脱却しましょう。

タルムードの小話は人生を変える

今回タルムードから2つの小話を紹介しました。タルムードにはまだまだ現代の日本で学べる小話がたくさんあります。

タルムードから学べること
・適切なリスクを取り、最適効果を得る方法を学べる
・ビジネスで成功し、豊かな人生を送る方法を知ることが出来る
・子供の個性を伸ばし、人として豊かな人生を送る教育が出来るようになる
・最悪な出来事を乗り切る方法を知ることが出来る
・誰にも盗まれない財産を蓄える方法を知ることが出来る

などなど、今回紹介していないたくさんの人生のヒントが小話として登場します。

タルムードの良いところは、古くからある書物にも関わらず、小話を交えて大人も子供も分かりやすく教えがあるところです。そして現在でも通用するところ、原理原則が多いところです。

是非機会があれば手に取って読んでみてください。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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