失敗や挫折をしても大丈夫。絵本「たまごをうってこぶたをかって」から学べること、あらすじ

目次

「たまごをうってこぶたをかって」とは?

今回は「たまごをうってこぶたをかって」というお話が面白かったので、ご紹介したいと思います。

この本は以前の「あおいトラ」と同じ福音館書店の定期購読で出版されたもので、現時点ではアマゾンやメルカリなどでたまに見かける時があります。

その他、図書館などに行けば出会えるかもしれないので、是非探してみてくださいね。

ストーリー

あるところに若い百姓がいました。百姓はめんどりを飼って産んだ卵を市場で売って暮らしていました。

ある日、卵が100個も溜まったので、百姓は卵を担ぎながら思います。

「これが全て売れたら子豚が買える。そうだ、それでメスの豚を買おう。なるべく太ったのが良い。」

「いっぱいえさをあげて、すぐに大きくなるだろう。」

「やがて豚は数え切れないくらいたくさんの子豚を産むだろう。もしそうなったら市場で売ろう。」

「豚を売ってたくさんお金を儲けたら、馬を買おう。そして上等の服も買おう。」

「その服を着て、馬に乗ったら、村中の娘は僕に夢中だろう。」

「そして村一番の美人、ガーナと結婚する。そして子供が生まれる。」

「きっと男の子に違いない!名前はボグダンという名前にしよう。」

「そして市場で美味しいリンゴを買ってやろう。そしたらボグダンが迎えに掛けだしてくる」

「とうさん、おかえり!」

「なんて可愛い息子なんだ!」

息子をしっかり抱き上げようと、両手を広げようとすると・・

百姓は思わず担いでいた卵を放り出してしまいました。慌てて地面に落ちた卵を拾おうとしますが、全部割れてしまっています。

百姓は諦めて帰っていきました。

でも百姓が帰ると、めんどりはまた卵を1つ産んでいました。

「たまごをうってこぶたをかって」から学べること

いかがだったでしょうか?どこにでもありそうでなんとも間の抜けた話ですが、個人的には現代でも通じるところがありそうです。私にも覚えがある話ですし、大人も子供も教訓として伝えているメッセージがありそうです。

夢だけ先走っても夢は叶わない

当たり前ですが、夢ばかり見ても、夢は叶いません。仕事に関しても私たちはいろいろな夢を見ますし、SNS上でもこんなプロフィールや書き込みをたくさん見ますよね。

「将来、どこでも好きなところで働いて、好きな時間に仕事して」

「嫌な上司や満員電車から解放されたい」

「簡単な作業で月収100万円!」

そうやって良いところだけ見るとみんなどんどん夢を膨らませますよね。

「将来、旅館にずっと泊まって、温泉に入って、2時間くらいの作業でパソコン開いて、月収100万円を目指して、それでお金が貯まったらハワイに移住して、毎日海沿いで彼女とデートしながら楽な生活を目指して、それでそれで・・」

みたいな妄想が無限に膨らみます。ですが、夢を膨らませるだけで行動に移せない人というのも一定数います。もちろんわくわくするのは大切です。大きな原動力ですからね。ですが、夢を膨らませるだけでは、夢は叶わないという当たり前の現実を私たち大人からもう一度見直さないといけないのかもしれませんね。

そんなに人生は上手いこといかない

もちろん中にはちゃんと行動に移せる人もいます。ですが、行動したところで一直線でその夢まで行けるなんて事はありません。

実際には予期しなかったような困難や課題、挫折が待ち受けています。

この百姓も、仮に無事に市場で卵を売ることが出来ても、果たしてそこまで上手くいくでしょうか?

卵が全部売れなかったら、豚を飼うほどのお金が稼げなかったら、豚が思ったより高かったら、豚が子豚を産まなかったら、村一番の美人は振り向いてくれただろうか、本当に結婚できただろうか、きっと前途多難だったことでしょう。

たくさん上手くいかないこともあっただろうと思います。それと同じように皆さんもたくさんの苦労や挫折を味わってきたと思います。

そして、予期せぬ要因や挫折で、自分の夢や目標を諦めざるを得ない瞬間もやってきます。

何年やっても1円も稼げない。家族の病気などでその夢を諦めざるを得ない、挫折してしまい、どうしてもその先へ進めない、など。

自分の突き進んだ道をトントン拍子で進み、その夢を叶えた人は希です。

でも希望はまた生まれる

この絵本の何が好きかって、一番最後のこの場面が好きです。

「でも百姓が帰ると、めんどりはまた卵を1つ産んでいました。」

あまりにも間抜けな失敗をしたこの若者ですが、ちゃんとまためんどりが卵を産んでくれているんですよね。また100個の卵が溜まり、市場へ出掛けるチャンスがあるということです。

ここで私たちに、諦めさえしなければ、いくらでもチャンスは巡ってくるという強烈なメッセージを放っています。

このお話は、もちろん失敗する子供にも伝わることがいっぱいありますが、何より多くの失敗を重ねてきた大人にこそ、響くお話だと思います。

大人も自分の失敗を誇れ、子供には安心を与える

いかがだったでしょうか?失敗はたくさんあるけれど、そんな大人だからこそこのお百姓の気持ちが分かる気がします。

さて、このお百姓さんは、果たして次は失敗せずに無事に市場へ買い物へ行けるでしょうか?

その後、お百姓さんはどうなっていくでしょうか?きっと村一番の美人とは結婚できないだろう。じゃあどんな人と結婚できるのかな?生まれてくるのは女の子じゃない?

思い描いたような夢を叶えられず、きっとその夢はクネクネと曲がって違う方向へ行くかもしれませんね。ですが、それもまた人生ですし、私たちもきっと思い描いた夢をクネクネと曲がって今に辿り着いていることでしょう。

子供も大人も一直線には夢へは辿り着けない。でも歪に曲がったからこそ、思いがけない発見や夢へのヒントがきっとあるのかもしれません。

だから私たちはいつになっても諦めてはいけないし、子供にも失敗しても大丈夫だよ、という安心と自信を与えてくれる、そんな本なのだと感じます。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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